腰椎分離症とは?原因と対処法についてお答えします!(1)
バレーボール
バスケットボール
テニス
サッカー・・・etc.
体を反らすスポーツをしている学生の腰痛。
その原因は腰骨(腰椎;ようつい)の疲労骨折が原因かもしれません。
スポーツをする学生の腰痛で、まず始めに疑うべき疾患である「腰椎分離症」。
今回はその原因と対処法についてお伝えします。
腰椎分離症になるメカニズムと最新の知見!
スポーツで腰を痛がっているお子様を持つお母様へ・・・
その腰痛、「分離症」ではないですか?
子供の腰痛その原因は、大きく分けて2つ:「疲労からくる筋肉の炎症」と「腰椎分離症」
これをご覧になっているあなたは、おそらく子供の腰痛について調べていたのではないでしょうか?
「子供が腰痛・・・?」
と、思われるかもしれませんが、子供にも腰痛になる原因があるのです。
子供の腰痛その原因は、大きく分けて2つ!
一つ目は、疲労からくる筋肉の炎症。
そして、もう一つは今回お伝えする、腰の疲労骨折「腰椎分離症」です。
「筋・筋膜性腰痛症」とは、オーバーワークによる筋肉の炎症のこと
それでは、さっそく「疲労からくる筋肉の炎症」である「筋・筋膜性腰痛症」から簡単にご紹介しましょう!
バレーボール
バスケットボール
テニス・・・etc.
スポーツをする上で、体を反らすという動作はつきものです。
しかし、この体を反らすという動作を過度に続けると、腰周囲の筋肉が疲労を起こします。
筋肉に炎症を起こしたもの、これを筋・筋膜性腰痛症と呼ぶのです。
筋・筋膜性腰痛症というと分かりにくいのですよね。
まぁ、簡単に言うと、オーバーワークによる筋肉の炎症のことです。
確かに腰は痛むのですが、安静にさえしていれば治るので心配はいりません。
(完全安静でおおよそ10日くらいで改善することがほとんどです。)
しかし、この筋・筋膜性腰痛症に似た症状を示す、もう一つの腰痛症があります。
それがこれからお伝えする「腰椎分離症」という疾患です。
この「腰椎分離症」は「筋・筋膜性腰痛症」と症状が非常に似ているため、判別が難しいのが問題なのです。
問題・・・? なぜかって?
それは、これからお話する腰椎分離症のリスクにその答えがあります。
それでは、腰椎分離症の特徴とそのリスクについて詳しく解説いたしましょう!
詳細解説!バレー部所属高校1年生A君が発症した「腰椎分離症」
腰椎分離症を説明するに当たり、わかりやすく状況設定をしますね。
今回は全国強豪校のバレーボール部に所属している、高校1年生の男子学生(A君)に発症した腰痛。
という設定で話を進めて行きましょう。
中学からバレー部に所属していたA君は、世間からとりわけ注目されていた選手ではありませんでした。
しかし、高校でも大好きなバレーボールを続けようと、第一希望であった全国強豪校であるB高等学校に進んだのです。
このA君はとてもまじめな性格で、練習も人一倍努力をし、部活に入ってからは一人最後まで残り、自主トレーニングを行うといった熱の入れよう。
一年からレギュラーの座を狙い、バレーボールに明け暮れる日々を送るのでした。
しかし、ある日を境にA君は強い腰の痛みに悩まされるようになったのです。
次第に腰の痛みで練習が出来なくなり、困ったA君は医療機関を受診。
初めは疲労が原因だと診断され、1週間様子をみるものの、サーブを打つ際の腰の痛みは変わず、再度他の医療機関を受診。
そこで思いもよらない診断を受けるのです。
それは、第4腰椎分離症!
いわゆる腰の骨の疲労骨折だというのです。
落胆の色を隠せないA君・・・
「そんな傷めるような覚えはないんだけど・・・」
いったいこのA君には、何が起こったのでしょう?
バレー部のA君に、なぜ「腰椎分離症」が起こったのか?腰椎の形状から解説します!
その理由を理解するためには、「腰椎の形状」と「腰を反らすという動作」を分析する必要があるのです。
バレーボールのアタックなどに多くみられる、腰を反らす動作。
この動作を繰り返すことにより、疲労骨折である腰椎分離症になる確率が飛躍的に高くなります。
なぜなら、腰を反らすという動作は、腰椎にある関節突起間部に負担をかけてしまうからです。
「関節突起間部?」
・・・・・(^_^;)
バレーボールを打つ時の腰の動きは、関節と関節の間の部分(関節突起間部)に力が集中している
なんだかよくわからない言葉が出てきましたが、とりあえず流してもらって。
まずは、バレーボールを打つ時の腰の動きを分析してみましょう!
下図をご覧ください。
バレーボールでのサーブやアタックをするには、必ず体を反らしますよね?
そして、さらに体を回旋をさせる動きを伴います。
この、「腰を反らすこと」と「体を回旋させること」を同時に行うと、腰椎にある関節突起間部に多大なる力が集中するのです。
上左図は真後ろから見た図です。右手でサーブする時には必ず体を右回旋させます。
上右図は横から見た図です。体は右回旋させると同時に腰を反らす動作も行います。
上左図は真後ろから見た腰椎です。
ここで注目していただきたいのは、腰椎の関節は「縦」に配置しているということです。
つまり、関節面が縦ということは、そもそも腰椎は回旋させる構造は持ち合わせていないのです。
よって、体を右に無理に捻ろうとすると、腰椎にある関節面が互いに衝突して、青矢印の方向に力が加わります。
さらに、上右図のように腰を反らすと上下の腰椎から挟み込まれる形となり、関節と関節の間の部分(関節突起間部)に力が集中してしまいます。
これを繰り返し行っていると、最終的には骨組織が壊れて行き、やがて疲労骨折を起こしてしまうというわけです。
ちなみに、腰椎の1つ1つを観察すると、この関節突起間部が非常に細く薄い形状だということがわかります。
下図は、腰椎の関節面の方向と関節突起間部(青線)を示しています。
腰椎の関節突起間部に力が集中し、骨組織が壊れて行き、やがて疲労骨折を起こしてしまった(腰椎分離症)
さて、ここからが本題です。
この関節突起間部が壊れるとは、いったいどの様なことなのでしょうか?
上の図のように、腰椎分離症とは腰椎にある関節突起間部で疲労骨折を起こします。
そして、この部分を斜めから観察すると何かにみえませんか?
そうです。
斜めから見た腰椎が、ちょうど犬の形に見えますよね。
そして、骨折する場所がちょうど犬の首の部分であることから、スコッチテリアドッグの首輪なんて呼ばれているのです。
ちなみにスコッチテリアとは犬の犬種ですよ。(正確にはスコティッシュ・テリアですが・・・)
レントゲンで「腰椎分離症」とわかる頃には、もう骨はくっつかない!
整形外科ではレントゲンで腰椎を斜め45°から撮影します。その際にこの首の部分に骨折線が見えたものを「腰椎分離症」と診断するんです。
ただし、ここで注意しないといけない大切なことがあります。
それは・・・
レントゲンで見えるころには、もう骨がくっつかない時期であることがほとんどだということです。
なぜ、骨がくっつかなくなるのか?
それは、骨にも再生能力が盛んな時間というのがあるからなんですね。
そして、その時期を過ぎてしまうと、再生能力がなくなり、骨癒合しなくなります。
骨がくっつく(骨癒合)ために必要なこと、それは骨折した部分を動かさないことなのです。
逆にいえば、骨折した所を動かし続けていると骨が癒合しない確率が非常に高くなるのです。
腰椎分離症(疲労骨折)にならないためには、早期に発見する事がカギ!
先程、分離症とは腰椎の疲労骨折と言いましたよね。
疲労骨折ということは、軽微な力が加わり続けた結果、骨の構造が完全に破壊されて骨折を起こすものです。
つまり、骨折を起こす前にも骨の内部では骨組織が破壊され続けているのです。
だから、レントゲンで骨折の線が見えるころには、骨が癒合する期間を大幅に過ぎてしまい、骨が癒合する能力がなくなってしまうことが多いというわけなのです。
(さらに細かくいうと、骨折を起こしても初期は分かりにくいのですが、徐々に骨折部の骨吸収が行われ、骨折線がはっきりとしてきます。だから初期では非常に見落としやすいのですね。)
レントゲンでの診断では、早期の分離症は分からないため、患部を安静にするという指示もありません。だから患者さんは知らずに動かし続けますよね。
すると、骨癒合に大切な時期が過ぎてしまます。
結果、レントゲンで骨折線がはっきりとしてきた頃に分離症と診断されても、骨がくっつかない確率が非常に高くなるのです。
ですから、分離症は早期に発見する事がカギになるのです!
では、どのようにしたら手遅れになる前に発見できるのか?
早期に腰椎分離症を見つけるための3つの判断基準
レントゲンで見つかった時にはもう遅い!
というところまで、話しましたね。
それでは、レントゲンにも写らない早期に、腰椎分離症を発見するポイントをお教えしましょう!
その判断基準は以下の3つにより判断します。
①急に痛みが出たか(痛めたエピソードがはっきりしているか)
②徒手検査で陽性反応がでたか
③MRIにて関節突起間部に浮腫を認めるか
それでは順番に解説しますね。
①急に痛みが出たか?
痛みが急にでたかどうか、ここは非常に大切なところです。
なぜなら、急に痛みを訴えた場合は疲労骨折をしている可能性が非常に高いからです。
そもそも、子供が腰痛を訴えることはあまりないですよね。
そんな子供が腰痛を強く訴えたいるのであれば、まず腰椎分離症を疑います。
とくに体を反らすスポーツをしているのであれば、なおさらのことです。
②徒手検査で陽性反応を示すか
徒手検査とは精密機器などを使わずに、手で検査をする方法です。
具体的には以下のような検査を行います。
1)片足立ちにさせて腰に痛みがでるか
2)片足立ちをさせたまま、後方に腰を反らせた時に痛みがでるか
3)うつ伏せにさせた状態で腰骨を押したときに痛みがでるか
4)うつ伏せの状態から腕の力だけで体を反らした時に痛みがでるか
このような検査を正確に行うことによって、腰椎分離症であるかどうか、ある程度までは絞れます。
③MRIにて関節突起間部に浮腫を認めるか
最終的にはMRI検査をすると確定診断に至ります。
しかし、MRI検査は費用が高いことと、予約および撮影時間が長いことから、すべての症例で行うということは現実的ではありません。
よって、問診や徒手検査で疑いがある時にのみ行うようにしています。
MRIで診断する方法について説明すると、非常に長くなってしまうため割愛しますが、簡単に言うと腰椎の関節突起間部に出血像(浮腫)が確認できるかどうかが診断のカギとなります。
疲労により骨が割れる前には、必ず骨内に浮腫が確認できるのです。
腰椎分離症が「すべり症」に移行してしまうと様々な症状に悩まされる
さて、腰椎分離症になったら将来腰痛に悩まされるのかというと、必ずしもそうではありません。
分離症であっても腰痛を感じていない人は沢山います。
しかし、分離症がすべり症に移行してしまうと、腰痛だけではなく、足の痺れや力が入らないなど様々な症状に悩まされることがあるのです。
「すべり症?」
・・・・(^_^;)
それでは、分離症とすべり症の関係について詳しくお伝えしますね。
・・っと、ついつい長くなりすぎてしまいましたので、この続きは次回にしたいと思います。
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