成長期にある子供の足の捻挫!骨折と骨端症を見分ける方法
子供が足を痛がっている。
足を捻ったみたいだけど、そんなに腫れてもいないし、普通に歩けてもいるのよね~。
これってケガ・・・?
そんな、あなたに知っていて欲しい、子供に特有の「骨端症(こったんしょう)」!
その痛みはIselin(イズリン)病という成長期に特有の痛みかもしれません。
今回は、骨折と骨端症を見分けるポイントについてお伝えします!
子供が足を捻って、傷める小指の付け根の部分の構造
まずは、足の構造から簡単にご説明しますね。
子供が足を捻って、傷める小指の付け根の部分。
ここには、ふくらはぎから伸びている腱と、足裏から伸びる腱膜がくっついているんです。
だから足を捻ると、ここが引っ張られ、骨を剥がしてしまうことがあります。
特に、成長期の子供は骨の強度が弱いために、骨折が多いという事実あなたは知っていましたか?
それでは、さっそく足の構造をから見てみましょう。
足の骨はこのように、5本の骨がきれいに並んでいます。
ちょうど、手の骨と同じですが、足指は細かい動きを求められないため、退化して短くなっています。
だから、足の指は手の指ほど器用に動かすことは出来ないんですね。
そして、足を捻って傷めやすいところは小指の付け根のあたり。
足の指は5本あるので、小指は第5趾(し)といいます。
図を見ると、第5趾の付け根のところに、なにやら白い腱がついていますよね。
これが腓骨筋(ひこつきん)腱という、ふくらはぎから伸びてきている腱なのです。
普通は足を捻ると、下図の左側のように捻ってしまうのですが、何かの加減で左側のような捻り方をすると、この腓骨筋腱が引き伸ばされて、付着部である第5趾の根元(基部)を引き剥がしてしまいます。
子供の骨は柔らかいので、この部分で骨折を起こすこともめずらしくないのです。
とは言っても、捻らなくても子供はここを痛がることがあります。
それは、これからお伝えするIseline(イズリン病)という骨端症の場合です。
イズリン病と聞くと、何かすごく悪い病気のように聞こえますが、ご心配なく。
簡単に言えば、成長期を過ぎれば自然と治る、成長痛のようものです。
Iselin(イズリン)病〔第5中足骨粗面部骨端症〕とは
スポーツ活動をしている、成長期のおおよそ8歳から14歳くらいの子供にみられる疾患です。
特に思い当たる原因が無いにも関わらず、下の図のところに痛みを訴えます。
この第五趾の根元には、先ほどもお話しした、腓骨筋腱(茶色)と足裏の腱膜(水色)が付着しています。
たくさん走ったり、ジャンプしたりすると、この付着部に常にストレスがかかるため、炎症をおこします。
この炎症による痛みが、イズリン病の原因なのです。
もう少し詳しく言うと、子供の骨は成長するために骨の端に軟骨の層があります。
通常はこの第5趾の根元にはないのですが、たまに軟骨の層が存在する子供がいます。
そんな子が活発にスポーツをすると、この部分に炎症を起こして痛みが出るということがあるのです。
だから、少し安静にさえしていれば、痛みはなくなります。
イズリン病なんて言って驚かしてしまいましたが、決して悪い病気ではないので、心配しないで下さいね。
骨折と骨端症の見分け方
さて、骨折かイズリン病(骨端症)か見分ける方法について説明しましょう。
たとえイズリン病であったとしても、軽く捻った事がきっかけで痛がっているのであれば、どちらが原因か分からなくなりますものね。
骨折であれば、しかりと固定しないといけないですし、イズリン病であれば痛みが出ない範囲で動かしておいても、その後に悪影響はありません。
だから、どちらが原因であるか判断しないといけないのです。
それでは、骨折とイズリン病を見分けるポイントを紹介しましょう。
①強い腫れが出ているか
骨折をするとすぐに腫れてきます。
骨が割れると骨の表面を通っている血管や、骨の中にある骨髄(血液を作っている所)から出血します。
当然、出血しても外には出られないため、「腫れ」として現れます。
子供が痛めて、急に腫れてきた場合は骨折の確率が非常に高いということは知っておきましょう。
それに対して、イズリン病(骨端症)は、組織が壊れている訳ではないので、腫れ方も軽度です。
②足裏から押しても痛がるか
骨折は骨の構造が壊れているため、「全周ぐるり」と痛がるのが特徴です。
ですから、足裏から圧迫しても響くような痛みを訴えます。
一方、イズリン病は局所を押せば痛がりますが、足裏から圧迫してもあまり痛がりません。
③捻った後にすぐ動けたか
骨折は、瞬間的に組織が破綻するほどの力がかかっているため、傷めた直後は強い痛みを感じます。
一方、イズリン病は反復したストレスで起きるため、傷めた瞬間は覚えていないことが多いのです。
また、軽く捻った後から痛んでいるケースでも、組織が壊れたわけではないので、それほど強い痛みは感じないことが多いのです。
④レントゲンでどのように見えるか
最後に、レントゲンでの見るべきポイントをお伝えしましょう!
もう一度、おさらいのために、足の全体像を出しておきます
上の図は、骨折とイズリン病の違いです。
レントゲンで撮影すると、足の骨はこのように写ります。
違いがわかりますか?
そう、「骨折」はこのように、横にズバッと折れるのが特徴です。
程度の差はあっても、特殊なケースを除いてはこのような折れ方をするのが普通です。
一方、「イズリン病」は骨の軸と平行に(縦に)線が入って見えるのが特徴です。
通常の骨折ではこのような折れ方はしないので、このような線が見られれば、イズリン病の可能性が高いと言えます。
ですから、症状と合わせてレントゲンをみれば、骨折とイズリン病の違いはすぐに判断できるんですね。
骨折とイズリン病のそれぞれの対処法
骨折であれば、元の位置に戻した後、動かないように固定する必要があります。
おおよそ3週間は必要です。
でないと骨がくっつきませんからね。
一方、イズリン病は成長期が終われば痛くなることはないので、それまでは運動量を調整しながら対処しましょう。
つまり、痛くなったら少し休む。痛みが治まれば、運動してもOKです。痛みの管理が主体となります。
参考になりましたでしょうか。
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