足首の捻挫!切れた靭帯を正しく治す方法とは・・・
前回の続きです。
切れた靭帯を正しく治すには、知らなければいけない原理原則があります。
それは「切れた靭帯どうしを近づけて、患部を安静に固定する」ということです。
・・・?
ですよね。(^_^;)
今回は、足首の捻挫で最も起こりやすい「前距腓靱帯」の損傷を例に、組織修復の原理原則をご説明いたしましょう!
専門家でも知らない、傷ついた靭帯の正しい治し方のお話です。
切れた靭帯を修復させるには「切れた靭帯どうしを近づけて患部を安静に固定する」
足首を捻ると、関節にある靭帯という組織を引き伸ばしてしまうため、多かれ少なかれ靭帯に損傷が起きてしまいます。
これは、前回お話ししましたよね。
それでは、切れた靭帯の線維が修復するために、最も必要なことは何か?
それは、切れた線維を引き寄せて接触させておくということです。
傷ついた組織を接触させておくと、組織は徐々に再生し、やがて元の状態に戻るんです。
ほんと、人の体って凄いですよね!
ただし、組織を再生させるには、ある一定の条件が必要なんです。
それは・・・
①すべての組織が元どおりになるわけではありません。再生できる組織と、できない組織があるのです。
組織の修復については、血管が多く分布している組織かどうかで大きく異なります。
例えば、筋肉って赤いですよね?
これは筋肉の組織内に血管が豊富に通っている証拠です。
血管からは組織の代謝に必要な栄養供給が行われるため、血管が多く分布している組織は再生能力は高いのです。
一方、軟骨や靭帯などの組織は白い(透明)ですよね?
これは、組織内に血管の分布が少ないことを示しており、同時に組織の再生能力も低い事を意味します。
ちにみに、軟骨は再生しないといわれています。だから関節の軟骨を痛めてしまうと大変なんですね。
②損傷してから一定の期間を過ぎると、組織は再生能力を失ってしまいます。
組織は損傷すると、修復するために様々な機能が働きます。
しかし、時間とともに修復に必要な反応は終わって行き、一定の期間が過ぎてしまうと、組織の再生は行われなくなってしまうのです。
だから、ケガを治せる期間は決まっているのですね。
③組織修復には、損傷した組織どうしを接触させておくことが必要です。
壊れた組織は修復するために、新しい細胞を数多く産生します。
しかしながら、切れた断端が離れてしまっていると、新しく生み出された細胞が壊れた組織どうしをつなぎ合わせることが出来ずに、組織の修復がうまく進みません。
だから、切れた断端どうしを引き寄せて接合させておくことは、組織の修復にとても大切なことなのです。
④組織の再生には一定の期間が必要であること
組織の種類によっても様々ですが、例えば今回お話しする靭帯(前距腓靭帯)が完全に修復するためには約1年程度の月日が必要になります。
もちろん1年とは、傷める前の強度に戻るまでの期間ですが、血行成分の少ない靭帯は修復するのに非常に長い時間が必要なのです。
ちなみに、靭帯に強い負荷をかけなければ切れないレベル(日常生活レベル)であれば約3週間程度で修復しますが、傷ついた靭帯どうしを引き寄せて固定しておくことが条件になります。
靭帯の再生には、そのくらい時間がかかるものなんですね。
それでは、具体的な前距腓靭帯の治療法についてご紹介しましょう!
足首の靭帯を修復させる方法 ~前距腓靭帯損傷について~
前回お話しした、前距腓靭帯の場所をおさらいします。
足首を捻った時に、最も傷めやすい靭帯がこの「前距腓靭帯」という靭帯でしたよね?
思い出しましたか?
それでは、この靭帯を治すにはどうしたらよいでしょう?
それは、最初にお話しした4つの原理原則の
③損傷した組織どうしを接触させる
④組織の再生には一定の期間が必要
に合わせて処置をすればよいだけなのです。
まず、損傷した前距腓靭帯どうしを引きよせるための方法について説明します。
まず、上図のように足首の角度を90°にします。これでは、切れた前距腓靭帯の断端は少し離れてしまうのです。
ですから、断端どうしを接触させるためには、足首を少し上げておく必要があるのです。
その角度は、おおよそ5°!
この角度が大切なのです。
ちなみに、この5°という角度の根拠は、前距腓靭帯の縫合手術の際に、確かめた結果ですので正確です。
正確には、5°足を上げておくというだけでは少々不十分でして、5°足を上げた状態から、さらに足の小指側を少し持ち上げた状態にすることが必要です。
イメージしずらいと思いますので、下図をご覧ください。
なんとなくわかりましたか?
この、小指側を少し持ち上げるという動作を、専門用語で「外反(がいはん)」と呼びます。
・・・まぁ、呼び方なんてどうでもいいのですが、足首の角度を5°、さらに小指側を少し持ち上げた状態というのが最も前距腓靭帯のをゆるませておける位置なのですね。
「足首を5°、さらに小指側を持ち上げた状態」をキープするためにギプス固定!
それでは、この状態を厳密に保持するにはどういしたらよいでしょう?
それは、下記のようにギプスを巻いてしまうことです。
もちろん、「足首を5°、さらに小指側を持ち上げた状態」にできるのであればどんなものでも構いませんが、この位置をキープ出る固定具はあまり多くありません。
だから、ギプスで巻いてしまう方が最も簡単で不具合が起きにくい方法なのです。
この状態で3週間。
そうすれば、確実に切れた靭帯は元通りにくっつきます。
もちろん、元の強度になるまでには長い月日が必要ですが、日常生活レベルであれば3週間の固定期間で十分です。これさえ守れば靭帯を正しく治すことができるのです。
3週間もギプスしたらリハビリが大変では・・・?
いえいえ、そんなことありませんよ。
もちろん最初は足首が硬くなります。しかし、1~2週間もリハビリすれば、日常生活では不便にならない程度には回復します。
ただし、負荷の強いスポーツ復帰には、約3週間くらいのリハビリが必要になりますけどね。
靭帯は修復可能な期間というものが存在します。
硬い足首はリハビリで戻りますが、切れた靭帯を放置すると二度と元の状態には戻らなくなります。
だったら、少しの期間我慢した方がいいのではないでしょうか?
一時の我慢か。一生の後悔か。選ぶのはあなた次第です。
たかが捻挫と侮ってはいけませんよ。
スポーツにケガはつきもの。
正しく治して、おもいっきりスポーツを楽しみましょう!
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