子供がサッカーで痛める股関節の疾患「ここに注意!」
サッカーの試合が終わった後に、股関節を痛がっている・・・
なかなか股関節の痛みがとれない・・・
そんな方は、今回お伝えするここに注意して下さい。
子供の股関節痛で多い「下前腸骨棘の裂離骨折」
あなたのお子様は大丈夫ですか?
下前腸骨棘(かぜんちょうこつきょく)とは
いきなり「下前腸骨棘」といっても、何やらわからないと思いますので、まずは股関節周囲の解剖を簡単に説明しますね。
私たちの脚は各パーツごとに役割が決まっているのですが、主に太ももの前の筋肉は膝関節をまっすぐに伸ばしたり、股関節を曲げたりする役割があります。
下の図は、太ももの筋肉を前から見た解剖図です。
図を見ると、太ももの筋肉は骨盤から膝の下までのびていることがわかります。
つまり、この筋肉が収縮することで我々は骨盤を軸に膝関節を伸ばしたり、股関節を曲げて足を振り上げたりできるというわけなのです。
すこし、太ももの筋肉が骨盤についている部分が見にくいので、上の層の筋肉を取り除いてみましょう!
ねっ!赤丸で示した所からも分かるとおり、ももの筋肉は骨盤にくっついているでしょ?
そして、この場所こそが今回お話しする「下前腸骨棘」という場所なのです。
「下前腸骨棘」この言葉を分解すると・・・
下前腸骨棘=やや「下」の「前」側にある「腸骨」の出っ張り(「棘」)という意味なのです。
そしてここには、ももの前にある強力な筋肉「大腿直筋」という筋肉が付着している場所でもあるのです。
こんな感じです。
ここが筋肉のけん引力によって剥がれてしまう事を、「下前腸骨棘の裂離骨折」といいます。
原因は簡単。
急激な大腿直筋の収縮、たとえばサッカーでシュートした時などによる強い負荷で、骨ごと剥がれてしまうのです。
特に子供の骨は柔らかいため、強い力がかかると骨が剥がれるなんてことは容易にあるものなのです。
裂離骨折を起こしているか、確認する方法
それでは、ここの骨が剥がれかかっているかどうか確かめる方法についてお伝えしますね。
それは以下の4つのポイントを確認するとわかります。
1.痛めたタイミングを明確に覚えているか?
必ずしも覚えているとは言いきれませんが、多くの場合は痛めた瞬間を明確に覚えているものです。
ボールを蹴った時だとか、走り始めた時だとか・・・
ただし、相手と交錯して傷めた場合などは「下前腸骨棘の裂離骨折」は起きません。
ここを傷める場合は決まって自家筋力が働いた時のみとなります。
ですから、外部からの衝撃によって傷めた場合は他のケガを考えなければいけないのです。
2.足をあげると痛みが出るか?
仰向けになって、膝をまっすぐに伸ばしたまま足を上げてみましょう。
この時股関節の前がズキンと痛むようであれば、骨が剥がれかかっている可能性があります。
上げるだけでは痛みが出なくても、足を上げる力に抵抗をかけてみると痛みが出るというケースも多いものです。
ちなみに完全に剥がれていると、痛みで足は挙げられなくなります。
ですから、足を上げた時の痛む感じでもある程度の重症度を判断できるものです。
とは言っても、ほとんどの場合剥がれかかっているだけの事が多いですので、上げられるけれど、少し痛む程度の症状が多いように思います。
3.押した時、骨盤の付着部を痛がるか?
図に示したところを指で押してみましょう。
仰向けになり股関節を曲げておいて、足の付け根の部分の奥の方にある骨(骨盤の骨)を押してみます。
この部分がズキっと痛むようであれば、下前腸骨棘を傷めている可能性がさらに高くなります。
4.ももの前の筋肉をストレッチすると痛むか?
うつ伏せになって、踵をお尻に着けるように膝関節を曲げてみましょう。
これで足の付け根の前側が痛むのであれば、下前腸骨棘を傷めている可能性が高くなります。
この姿勢は下前腸骨棘についている大腿直筋という、太ももの前にある筋肉を伸ばしていることになります。
この筋肉のけん引力で足の付け根の前側に痛みが出るのであれば、下前腸骨棘をを傷めている可能性が高いのです。
運動を開始するタイミング
さて、下前腸骨棘をを傷めていることはわかった。
次に気になるのが、スポーツ復帰のタイミングですよね。
このタイミングを間違えると、再発してしまい、治るまでに非常に長い時間がかかってしまうことになります。
ですから、最低限下記の症状が消失したのを確認してから、運動を再開して下さい。
これを守らないと経験上、非常に高確率で再受傷してしまいますので注意しましょう!
①まずは3~4週間の安静
②足をあげても患部に痛みが出ないか
③骨盤の骨(下前腸骨棘)を押しても痛みが出ないか
④ももの前の筋肉をストレッチしても患部に痛みが出ないか
以上の4点が確認できたら、ジョギングから少しずつ始めます。
そして、おおよそ1週間ぐらいで徐々にペースを上げて行き、スポーツへの復帰を目指しましょう!
「えっ!?そんなにかかるの?」って思いました?
そう、平均してこのくらいはかかるのです。
これは経験に基づいた期間なので大きくは外れないはずです。
再受傷しないためにも必ず、以上4点を確認してから運動を再開してくださいね。
「急がば回れ!」
早く治したいという方にこそ、守って欲しい大切なポイントでした。
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