原因なく子供が股関節を痛がる2つの疾患について
子供が原因なく股関節を痛がっていたら、我々はまずは「単純性股関節炎」を疑います。
ただし「単純性股関節炎」と思っていても、決して見逃してはいけない「ペルテス病」という疾患の可能性もあるのです。
そこで今回は、「単純性股関節炎」と「ペルテス病」について分かり易くお伝えしましょう。
何の原因もなく、子供が股関節を痛がっていたらこの2つの疾患を疑ってみて下さいね。
単純性股関節炎はそのまま経過を見ていれば治る
単純性股関節炎=別名 Observation(観察) Hip(股関節)とも言います。
要するに、そのまま経過を見ていれば治る股関節の疾患という意味です。
なぜ、痛みが出るのかは未だに分かってはいませんが、おおよそ1週間から10日ほどで痛みが無くなる子供に特有の股関節の疾患なのです。
この「単純性股関節炎」は決して珍しいものではなく、小学生くらいの歳の子供によくみられます。
単純性股関節炎の症状
特徴的な画像所見はないものの、原因無く股関節を痛がります。
多くの場合関節内に水が溜まり(本来ある関節液が増える)、股関節を深く曲げると痛みを訴えます。
股関節はやや腫れますが、腫れると言ってもなんとなくそけい部が(太ももの付け根)ふっくらしている程度のものです。
股関節を押すと少し痛がりますが、決して強い痛みではなく何となく痛む程度のものが多いようです。
Observation Hipと言うように、経過を観察していれば1週間程で次第に痛みが無くなりますし、子供に多い疾患でもあることから、子供が原因無く股関節を痛がっていたらまずは「単純性股関節炎」を疑った方が良いでしょう。
「単純性股関節炎」であれば後遺症もなく、ちゃんと治りますので安心してください。
ただし、これと似た症状で「ペルテス病」という疾患には注意が必要です。
このペルテス病という疾患は予後も悪く、単純性股関節炎とは似て非なるものですので気をつけなければいけないです。
ペルテス病は予後も悪く、要注意!
ペルテス病を簡単に言うと、原因不明の疾患で、小児の股関節が徐々に変形してしまう疾患です。
もう少し詳しく言うと、股関節を形成している大腿骨の骨頭の成長不全で、本来丸く形成されるはずの大腿骨頭が潰れて扁平化してしまう疾患なのです。
このペルテス病は決して多い疾患ではないのですが、発見が遅れると股関節の成長不全により、以後の後遺症に悩まされる可能性が大きくなります。
ペルテス病の詳細については、インターネットなどで検索すれば、細かい情報がたくさん出てきますので、詳しい内容はそちらに譲ることとしましょう。
それでは、このペルテス病を疑うポイントについて経験をもとにご紹介しますね。
ペルテス病を疑うポイント
先ほどもお話しした単純性股関節炎とペルテス病は初期の段階で判別するのはとても難しいことです。
一般的な整形外科医でも見逃すことが多く、股関節専門で診ている整形外科の先生でないと判別できません。
というのも、レントゲンで骨が変形して見えるころには、もう遅く、大腿骨頭が変形する前に経過を観察し、治療を始めなければならないからです。
具体的には、大腿骨頭に負担のかからないような装具などを着用したりするのですが、治療の詳細については専門医にお任せするしかないでしょう。
しかし、素人でもこのペルテス病を疑うことくらいは出来るのです。
それには以下のことに注意することが必要となってきます。
1.小学校までの小児が原因もなく股関節を痛がっている
2.夜寝るときなど、じっとしていても痛みを訴える
3.単純性股関節炎と診断されたが、短期間に数度繰り返している
4.高いところから飛び降りることなどが好きな、活発な子供である
5.痛みが2週間以上続いている
単純性股関節炎と症状はかなりかぶってきますが、単純性股関節炎は短期間に繰り返すことは少ないですし、2週間以上痛みが続くこともありません。
そして、ペルテス病も初期では骨の変形は見られないため、レントゲンで診断することはかなり困難なものです。
もちろんより正確な診断が行える検査はあります。それはMRI検査をすることです。
しかしながら、MRIは一昔前よりは一般的になってきましたが、それでも手軽な検査ではないため、初診時にMRIとまではならないのが現状です。
ですから、まずは自分でもすぐにできることからチェックしてみてはいかがでしょうか。
さらに、専門家にもペルテス病の疑いがないかどうか直接相談することも、見逃しを予防する対策です。
検査の結果、ペルテス病でなければそれで良いですし、ペルテス病であれば早めの処置が行えます。
手遅れにならないためにも、ペルテス病を疑ってみる。
これってすごく大切なことのなんです。発見は早ければ早いほどいいですからね。
もし、疑いがあるのなら、必ず股関節専門の先生に診てもらいましょう!
以上、我が子の将来を左右する、大切なお話でした。
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