ピリピリする腰の痛み!帯状疱疹と腰痛について
帯状疱疹による腰痛
腰や背中の痛みを訴える患者さんを診察していると、まれに遭遇するのが「帯状疱疹」による神経痛。
もちろん、皮膚に湿疹が出ていればすぐに分かりますが、湿疹が出る前の初期では見逃されることも多いんです。
ということで、今回は帯状疱疹に伴う腰や背中の痛みについてご紹介しましょう!
帯状疱疹とは生き残ったヘルペスウィルスが神経に沿って増殖
帯状疱疹は、ヘルペスウィルスという水疱瘡(みずぼうそう)の原因となっているウィルス感染によるもので、子供の頃に水疱瘡を経験した人なら、誰でも帯状疱疹になる可能性があるのです。
というのも、子供のころに感染したウィルスは、一度増殖して皮膚に水泡を作ります。
これがいわゆる水疱瘡と呼ばれているものです。
その後、感染したウィルスは体の免疫作用により数が減少して行きます。
すると、症状も消え治ったと判断されるのです。
ところが、ウィルスは100%死滅するのではなく、一定数は生存します。
そして、わずかに生き残ったウィルスは神経組織にある「神経節」という部分にその身をひそめるのです。
この神経節にいるウィルスは、免疫作用による抑制効果でその数を増やすことは無いのですが、ストレスや過労、加齢などによって免疫力が低下すると、神経に沿って増殖して行きます。
これが帯状疱疹と呼ばれるものです。
ですから、水疱瘡も帯状疱疹もウィルスの種類は同じなのですね。
この神経に沿って増殖したウィルスは神経を傷つけるため、痛みを感じます。
そして、増殖を続け、やがて皮膚に発赤と小さな水泡を形成します。
この水泡が神経に沿って帯状に広がることから、「帯状疱疹」と呼ばれているのです。
帯状疱疹の初期では水泡は現れない!
増殖したウィルスも、皮膚に水泡を形成するまでには一定の時間がかかります。
ですから、水泡として認識されるまでは痛みが主な症状なのです。
「何もした覚えはないのに、腰から背中にかけて痛むのよね・・・」
なんて患者さんから聞いた時、私は必ず帯状疱疹を疑うようにしています。
それだけ帯状疱疹って多いんですよ。
帯状疱疹であれば抗ウィルス薬が必要です。
そのまま放置していると、ウィルスが次第に増殖して神経を傷つけるため、神経へのダメージが大きくなります。
そして、神経に傷が残ると「帯状疱疹後神経痛」といって長期間にわたって痛みが消えなくなることもあるんです
だから、帯状疱疹が疑われたら早めに対処しましょうね。
帯状疱疹を疑う、腰や背中の痛みの6つの特徴
さて、ここからが本題。
どのように初期の帯状疱疹か判断するのかというと、私はいつも以下のことをチェックします。
①皮膚がピリピリするような痛み方ではないか?
神経に沿って増殖するウィルスは、神経を傷つけて行きます。これがピリピリとした痛みの原因なのです。
その他の腰痛症とは違った特徴的な痛みであるため、表面がピリピリとしたら帯状疱疹を疑いましょう!
②左右のどちらか片側だけ痛みを訴えていないか?
もちろん神経に沿って増殖するのですから、左右どちらか一方に症状が出ることが多いのです。
しかしながら、多発的に発症する例もまれにあるので100%とまでは言えません。
ただ、臨床上は左右のどちらかに発症することがほとんどです。
ちなみに、腰や背中以外にも頭や腕や足にも発症することがありますので、要注意です。
③圧痛(押して痛む場所)がない、あるいは広範囲を痛がるか?
これは、筋肉や骨の痛みではないということを意味します。
もし、筋肉や骨が痛んでいるのであれば、必ず押して痛む場所が「限局」しているはずです。
押して痛む場所が限局していないことも、帯状疱疹の疑いを強める所見のひとつです。
④運動痛(動きで痛むこと)がないか?
これも③と同様、筋肉や骨が原因でないということを示しています。
ですから、動きで痛まないのであれば、疑いはさらに強くなりますよ。
⑤微熱はないか、リンパ腺が腫れていないか?
ウィルス感染であれば、免疫機能が作用して発熱することがあります。
また、リンパ腺が腫れていないかを確認することでも、疑うことが出来ますね。
⑥皮膚上に赤い湿疹が出ていないか?
これが出ていれば、ほぼ確実ではありますが、他の湿疹と見間違えないように注意しましょう!
まぁ、湿疹の区別がつかなくても、ピリピリした痛みと湿疹が同部位であれば帯状疱疹が強く疑われます。
以上の6項目を確認し、疑いがあればすぐに内科か皮膚科への受診を勧め、抗ウィルス薬を処方してもらっています。
腰や背中の痛みを訴える方の中に、帯状疱疹による痛みの方も少なからずいるということは覚えておいて下さいね。
症状が酷くなり、帯状疱疹後神経痛に悩まされないよう早めに受診しましょうね。
参考になりましたでしょうか?
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