腰痛の原因!腰椎椎間板ヘルニアとは(2)~痛みの原因 Part 1~
(前回の続きです。)
椎間板ヘルニアとは「椎間板(ついかんばん)の中にある髄核(ずいかく)が飛び出てしまったもの」というところまでお話ししましたね。
今回は、髄核がなぜ飛び出してしまうのか?について解説します。
髄核が飛び出るメカニズム。
そこには腰椎の動きが大きくかかわっているのです。
腰椎椎間板ヘルニアの治療には絶対欠かせない基礎知識。
今回も、できるだけわかりやすく解説します!
なぜ、ヘルニアになる(髄核が飛び出してしまう)のか?
それではまず、なぜヘルニアになる人がこれほどまでに多いのかというお話しを致しましょう!
それには大きく分けて3つの理由があるのです。
その理由とは・・・
①腰椎は上半身の重みを支える場所である
上半身の重みは常に背骨で支えています。
その上、腰椎は体を動かす度に支点となるため、体重以上の負荷がかかるのです。
では実際に、姿勢の変化によって椎間板にどのくらいの負担がかかっているのか?
上図は体重70kgの人の第3腰椎椎間板にかかる負荷を表しています。
前かがみになるだけで、立っている時の1.5倍の負荷が椎間板にかかっているのですね。
これに荷物や瞬間的な動作が加われば、椎間板の負担が増えることは必至。
こうして、私たちは毎日々、何十年と椎間板に負担をかけ続けているのです。
これなら椎間板が傷ついても当たり前ですね。
②年齢により、もろくなる
私達は、歳をとります。
そして歳をとると、組織は老化します。
これは、誰しも避けることの出来ない事実です。
そして、老化した組織は変性して、もろく壊れやすい状態になります。
それは、椎間板も例外ではないのです。
たとえば、ゴムチューブを想像してみてください。
買ったばかりのゴムチューブは柔らかく、弾力性に富んでますよね。
しかし、日光などの紫外線に当てて放置しておくと、ひび割れて劣化します。
劣化すると弾力性が乏しくなり、少し引っ張っただけでも簡単にちぎれてしまいます。
組織の変性とは、こんなイメージです。
だから、歳をとると何気ない動作で組織を傷つけてしまうんですね。
ちなみに、30歳前後から組織の変性は始まっているのです。
③動きにより椎間板は形を変える
椎間板の役割の一つ、それは背骨に動きを与えることです。
動きに合わせて椎間板は形を変えるため、私達は背骨を動かすことが出来るのです。
しかし、これこそが椎間板ヘルニアになる大きな要因でもあります。
なぜかというと・・・
まずは、椎間板の構造を簡単に解説しましょう!
椎間板の中心部は髄核(ずいかく)という柔らかい組織があり、その外側を線維輪(せんいりん)という比較的硬い組織が取り囲んでいます。
(ちなみに、線維が切り株の年輪のように層状になっているので線維輪などと呼ばれています。)
ヘルニアとは、この線維輪が破けて中の髄核が飛び出してしまうものなのです。
ここで注意してほしいのは、この線維輪という組織には力学的な特徴があることです。
それは、垂直方向の力には強いが、水平方向の力(捻る力)には非常に弱いという性質です。
これは何を意味するかというと、椎間板は捻る力には非常に弱く、傷ついてしまうということです。
ただし、ヒトの体はよくできていて、腰椎はその構造上、簡単には回旋出来ないように組み合わさっています。
下図をご覧ください。
上図は背骨を後ろから見た図ですが、ご覧の通り、腰椎の関節は縦に合わさっていますよね。
つまり、腰椎の関節面は回旋方向に力が加わってもロックする構造をしているということです。
ちなみに、腰椎での回旋方向の動きは約3度ほど。正常時で腰椎はほとんど回旋できない構造になっているんですね。
ところが、唯一このロックがはずれる状態があります。
さらに、下図のように腰を曲げた状態では椎間板内の圧力が後方に集中します。
だから椎間板の後方が破けやすいんですね。
これが椎間板ヘルニアになる主な原因とメカニズムです。
そういえば、ぎっくり腰って、前かがみの状態から体を捻った時に発生しませんか?(重い荷物を横に移動した時など)
この事実は、解剖学的構造の特性と一致しているのです。
「ちなみに、髄核は前方に飛び出ないの?」
と思うかもしれませんが、実際には前方の線維輪は後方に比べ厚く強度があるため、前方に飛び出すことはほとんどありません。後方外側部が最も弱く、ここがヘルニアの好発部位になります。
ヘルニアと痛みの関係は、次回お伝えします!
さて、椎間板ヘルニアになる原因はなんとなくわかった。
でも、なんで腰以外にもお尻や足が痛くなるの?
それ、聞いちゃいます?(^_^;)
すっごく大切な質問ですが、そろそろお腹一杯かと思うので、今日はこのへんにしておきましょう!
ここまで、読んで下さりありがとうございました。
お楽しみに!
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