腰椎椎間板ヘルニア!ブロック注射と手術の種類
飛び出たヘルニア塊は、数か月で消失することがわっているのですが、手術をしない治療で効果が見込めない場合や、早期復帰を強く希望される場合には手術的治療を勧められます。
手術をするのか、しないのか、最終的にその判断を下すのはあなたであって欲しい。
もちろん、どちらにせよ100%を保証する治療法はありません。
しかしながら、どのようなものがあるのかその情報を知らなければ、選ぶことも出来ませんよね。
よって今回は、手術的治療の種類とその特徴をご紹介します。
ブロック注射の種類と特徴
ブロック注射とは神経の伝達(興奮)を遮断する治療法です。
どちらかというと手術的治療には入らないのですが、医科ではこれを第一選択として勧められます。
そしてブロック注射は、あくまで局所麻酔の注入であるため、ヘルニア塊が消失するものではないということです。
乱暴に言えば、短期的に痛みを抑えるだけとも言えます。
ただし、その期間に体内で自然吸収されてしまえば痛みが無くなるといったことも起きえるでしょう。
その点は十分に把握した上で、治療を受けることをお勧めいたします。
それでは、ブロック注射の種類と特徴です!
1、硬膜外ブロック
硬膜外(こうまくがい)ブロックは、局麻薬を硬膜外に注入して脊髄神経および交感神経の伝達を遮断し、鎮痛や血流改善などの効果を得る方法です。
上図のように、硬膜外ブロックには「腰部硬膜外ブロック」と「仙骨部硬膜外ブロック」がありますが、神経を包む硬膜(硬膜)の外側に麻酔薬を注入することに変わりありません。
ただし、腰部硬膜外ブロックの際に誤って硬膜を突き破り、硬膜の中(くも膜下)に薬液が入ってしまうと、脊髄神経麻痺が起こります。
仙骨部硬膜外ブロックでは少ないのですが、もちろん確率はゼロではありません。
また、感染や血圧低下、急性循環不全によるショック、針先による神経損傷などのリスクもあり、注射を打たれる際に強い痛みを伴うこともしばしばです。
ブロック注射は、神経の伝達をブロックするため、数日間から数週間の痛みの改善に対しては著効と言えるでしょう!
2、神経根ブロック
神経根ブロックとは、直接椎間孔から出る神経根の周囲に局麻薬を注入する方法で、診断的要素も含めた治療法であるともいえます。
なぜなら、椎間板ヘルニアにより障害を受けたであろう神経に直接アプローチするため、効果があればその神経が責任部位であることが特定できるからです。
また、硬膜外ブロックで効果が望めなかったものに対して、神経根ブロックで効果がでたという症例も多く見受けられるようです。
リスクについては硬膜外ブロック同様となります。
手術的治療の種類と特徴
手術的治療の種類には大きく分けて6種類の方法があります。
その特徴を順番にご紹介しましょう!
1、ラブ法(LOVE法)
最もオーソドックスな椎間板ヘルニアの手術療法とされています。
全身麻酔で背部側を5~6cm切開し、目視下で腰椎を部分的に切り取った後、神経を圧迫している髄核を切除・摘出する方法です。
手術自体は1時間程度で終わりますが、その後のリハビリも含めて2~3週間入院が必要となります。
他に顕微鏡を使って行うマイクロラブ法は入院期間も少なく、1週間程度で済むこともあります。
2、内視鏡下ヘルニア摘出術(MED法)
全身麻酔で背部側を2cm程度切開し、そこから内視鏡を挿入して飛び出た髄核を摘出する方法です。
この方法は、モニターで拡大した映像をもとに、神経をよけて髄核を切除するため、非常に高度な技術が必要となります。
手術は1時間程度で終わり、入院も1~2週間程度必要となります。
ラブ法と比べ、傷口も少なくて済み術後の痛みも少ないという利点がありますが、手術中の視野が狭いためヘルニア塊をきれいに取りきれない可能性があるデメリットもあります。
もちろん、執刀医の技術に依存するのですが・・・
3、レーザー治療(PLDD)
従来のラブ法は2週間程度の入院が必要となり、術後の痛みも強いことが問題でした。
そこで、人体への侵襲が少なく、入院の必要がないレーザー治療が開発され現在も行われています。
この方法は数ミリの細い筒を腰部に刺し、レーザー照射用の管を椎間板まで到達させます。
次に、椎間板の中心部分にある髄核の一部を高出力のレーザーで焼くという方法です。
レーザーで焼かれて中心部の髄核が蒸散すると、椎間板の内圧が下がります。
すると、飛び出てしまったヘルニア塊は中心部へと戻り、神経の圧迫がなくなるということを期待した術式です。
この治療法のメリットは、人体への侵襲が少ないく、手術時間も30分程度であり、半日で自宅へ帰れることです。
ただし、適応するヘルニアのタイプが限られている事や、保険適応ではないことがデメリットとして挙げられます。
適応するヘルニアのタイプは「膨隆型」のみであり、原則「脱出型」ではPLDD手術の適応となりません。
良く考えれば当然ですよね。
だって、後縦靭帯を破って漏れ出たヘルニアは、椎間板の内圧を下げたところで、もとには戻っていかないですものね。
だから、「膨隆型」のみが適応なのです。
また、保険が適応できないため、費用も20~60万円と高額になります。
4、経皮的髄核摘出術(PN法)
この手術はレーザー治療同様に、日帰り手術として行われています。
この手術様式は、背部側から4mm程度の管を差し込み、その管から特殊な鉗子(かぎ爪のようなもの)で飛び出たヘルニア塊を切除する方法です。
また、一部椎間板内部の髄核を掻き出し、椎間板内圧を減圧させることがこの手法の目的でもあります。
メリットとしては、日帰り手術であることと、保険適応であることです。
ただし、筋力検査で著しく弱い(MMT3以下)では適応とならない場合もあります。
筋力が著しく弱い場合では、絞扼型のヘルニアで神経周囲に著しい癒着がある例が多いというのがその根拠です。
つまり、この術式で椎間板内圧を減圧させても、神経線維そのものに癒着などの障害があれば、効果が望めないということになります。
単純に手術といっても、その適応や向き不向きなどがあるのですね。
5、椎弓切除術
この術式は古くから行われており、腰椎の後方部を広く切除することで狭くなった脊柱管を広げることが目的です。
全身麻酔で、腰椎の後方にある骨を広く切除するため、人体への侵襲が大きいのが特徴です。
つまり、入院もリハビリもそれに伴い長くなるということです。
この術式は脊柱管の狭くなる「脊柱管狭窄症」に適応されることが多いのですが、ヘルニアの条件次第では行われることもあります。
6、脊椎固定術
椎間板の変性や、前記の手術での経過が思わしくなく、次いで腰椎自体の不安定性が顕著なものに適応になる術式です。
これは文字通り、脊椎自体を金属でとめてしまい、動かなくするための方法です。
しかし、脊椎を固めてしまうとその上下の椎体に負担がかかり、変形をきたす可能性が大きくなります。
よって、若年者では二次的変形による脊柱管狭窄症を発症することもリスクとして考えねばなりません。
ただし、脊椎の不安定性による症状を解消するには優れた術式であります。
手術のリスクも理解したうえで、最善の方法を選択してください!
手術をすることで100%良くなるとは限りません。
そして、様々なリスクや再発のことも念頭にいれなければなりません。
しかし、医療の進んだ現代社会でこれらの術式はほぼ完成されてきており、そのリスクも最小限になっているのも事実です。
手術が良いか、悪いか・・・
それを明確にする答えを私は持っておりません。
しかし、手術が万能であるという考えだけは捨て去って欲しいのです。
すべては、術者の判断と技術に依存するからです。
これから手術を・・と考えている方は是非ともこれらのリスクを踏まえた上で、最善の方法を選択して下さいね。
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