突き指で第二関節が曲がったままに⁉ – 中央索の断裂とその危険性
一生第二関節を伸ばせなくなるかもしれないのに、見逃されやすいケガとは?
今日のテーマはつき指で見逃されやすい損傷「中央索の断裂」についてです!
このケガは放置すると、高い確率で写真のような変形を起こして、一生第二関節を伸ばせなくなってしまうのです。
それなのに、このケガ、見逃されることが多いのですよね。あなたの指が伸びなくなるその前に、知っていて欲しい重要なことについてご紹介いたします。
何やら驚かせてしまいましたね。
でも、誤診が多いっていうのは本当なんですよ。なぜなら、変形は後から徐々に起こってくるから・・・
それでは、なぜ見逃されやすいのか、どの様な事に注意するべきかを順番に説明していきますね。
自分の身は自分で守る!頭でっかちもいけませんが、最低限の知識がないと後悔しても遅いのです。
中央索の断裂とは?指の構造から理解しよう(図解あり)
まずは、指の構造から簡単に説明しましょう。
指は下図のように、「関節を伸ばすための腱」と「関節を曲げるための腱」がそれぞれ骨に着いています。
ですから、私たちの指は自由に曲げ伸ばしが出来るんですね。
(ちなみに、筋肉の両端は腱という固い組織になっていて、腱は骨にくっついている。つまり、靱帯は筋肉を収縮させることで、その先に続いている腱が骨を引っ張って関節が動くというシステムなんです。)
では、次に第二関節を中心に腱の走行に注目して説明しますね。
第二関節の腱は少し特徴的で、下図のように「第一関節を伸ばす腱」と「第二関節を伸ばす腱」は交差している構造をしているのです。
この第二関節を伸ばす腱を解剖学用語で「中央索」と呼んでいます。
名前の通り、中央にある索(つな)とうい意味です。
そして、この特徴的な構造がこれから説明する「第二関節が伸びない原因」になるというわけです。
ちょっと分かりにくかったですか?
でも、もう少しだけお付き合いくださいね。
中央索が切れてしまっても触診しないとわからない⁉
さて、これからが本題です。
先ほど説明した中央索が切れてしまうとどうなるでしょうか?
えっ! 第二関節が伸びなくなる?・・・
残念ながら半分正解で半分不正解です。
というのも、中央索が切れてもはじめは第一関節を伸ばす腱があるため、見かけ上は第二関節を伸ばすことが出来るのです。
要するに、第一関節を伸ばす腱が代償運動してくれるんですね。
ただし、「見かけ上」と書いたように、指を伸ばす力は明らかに弱くなっています。だから、患部を触りさえすればどこを傷めているか分かるのです。逆に言えば触らないで診断すると誤診しやすくなるというわけです。
残念ながら触ればすぐにわかるのに、多くの医療機関では触りもしないで平気で診断する。だから間違えるんです・・・
(すいません。つい、愚痴っぽくなっちゃいましたね。(^_^;) )
中央索が切れたままにしておくと曲がったままに・・・「ボタン穴変形」
では、なぜ徐々に伸ばせなくなるのか?
それは下図に示すように腱の走行に変化が起きるからなのです。
中央索が切れてしまうと、第二関節を伸ばす力が伝わらなくなります。すると、第一関節に向かう側索と言われる腱が徐々に下の方へずり落ちてしまいます。
一度ずり落ちてしまった側索は緊張させると、今度は第二関節を曲げる方向への力として働くようになります。
結果、第二関節は伸びなくなるばかりか、今度はよりいっそう曲げられた位置で固定されてしまうんです。
だから、受傷初期に適切な処置を行わず、中央索が切れたままにしておくと第二関節が曲がったままの変形を起こしてしまうのですね。これを専門用語で「ボタン穴変形」と呼んだりします。(まあ、そんな用語は覚えなくてもいいのですが・・・)
しっかりと触診してくれる先生に診てもらおう
中央索を損傷しているかどうか?それを判断するのは結構難しく、専門家の診察が必要です。
なぜなら、ほかの損傷と間違えやすいからです。(専門家ならあまり迷うことはないですが、一般の方が見極めるのは難しいのです。)
ということで、診断してもらう際に気を付けてほしいこと。それは、しっかりと触診してくれる先生に診てもらうということ。要するに患部に触ってくれたかどうかです。もし、あなたが診てもらった先生がそうでなかったなら、潔く他の先生にも診てもらいましょう。
あなたの指が一生伸びなくなるその前に、突き指をしたら気を付けて下さいね、
以上、突き指で第二関節が伸びなくなる「中央索」の断裂についてでした。
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