歩くたびに足の親指の裏側が痛む、種子骨炎について
足の親指の裏側の痛み
足を踏み返すときに「ズキッ」と痛む足の裏。
何もしていないのになんでだろう・・・
そんな痛みに困っている人はいませんか?
今回は足の親指の裏側の痛みについてお伝えします。
ここを疲労骨折することも珍しくないんです。
足の裏側にある豆状の骨の周囲に炎症を起こしたものが種子骨炎(しゅしこつえん)
足の裏側にある豆状の骨を種子骨と言います。
この種子骨という骨の周囲に炎症を起こしたものが、今回お伝えする種子骨炎。
靴底の硬い靴や、へたった靴で長時間歩いたりしているとよく起きる疾患なのです。
種子骨は地面と擦れ合う組織が擦り切れないように保護する役割がある
では種子骨という骨がどのようなものか、ご説明しましょう!
上の図は右足を裏からみたものです。
親指の付け根を拡大すると、豆状の骨が2つありますよね。
これが種子骨というものです。
そして、種子骨はちょうど足を踏み返す際に地面とぶつかります。
このように、歩行中に足を蹴りだす際には必ずこの部分が地面とぶつかることになるのです。
ですから種子骨の役割は、地面と擦れ合う組織が擦り切れないように保護する役割があるのです。
だから、種子骨は大切な組織なのですね。
膝のお皿(膝蓋骨)も大きな種子骨の一つ
例えば、みなさんがよく知っている膝のお皿(膝蓋骨)、これも大きな種子骨なんです。
知っていましたか?
膝は床についたり、体を支えたりと何かと荷重がかかるところですよね。
だから膝の種子骨は発達していて、あんなに大きくなっているんです。
もちろん、この種子骨は体のいたるところに存在しますよ。
例えば、手の親指の付け根なんかにもありますし、
・・・っと、話がそれてきましたので、戻しますね。
足の裏が膨らんでいる部分だけが腫れていたら、種子骨炎を考えましょう!
関節の炎症ではないため、足の甲側が腫れることはありません。必ず足の裏だけが腫れてきます。
痛くない方の足の裏を触ってみて下さい。
足の親指の付け根の裏側に、ポコッと小さな膨らみが触れませんか?
そう、この膨らみが種子骨です。
ですから、痛い方の足の裏でこの膨らみが痛いのであれば、種子骨炎の可能性が高くなります。
硬い床や靴で長時間歩いたり、足の裏を酷使した覚えはありませんか?
もし、思い当たるのであればそれが原因かもしれません。
種子骨も疲労骨折をする
種子骨も骨折することがあります。
痛みを我慢して走り続けたりすると、疲労骨折を起こすことがあるんです。
陸上選手がわざと薄い靴底のシューズで走ることがあります。
走り慣れていないと、踏み返しの際に種子骨に負担がかかり炎症を起こすのです。
そして、痛みを我慢して走り続けると、次第に骨が破壊されてきて、ある時「パリッ」と骨が割れてしまうことがあるのです。
割れた瞬間は強い痛みが出ますので、急激に痛みが強くなった時は疲労骨折も疑いましょう。
痛みが出た後は、当然患部を安静にすることが大切
ですから、柔らかい靴底にするとか、厚い靴下を履くとか、工夫が必要です。
とにかく硬いものが当たらないようにすれば、酷くなることはありません。
経験的に治るまでには安静に固定して、おおよそ4週間くらいはかかるでしょう。
痛みは我慢して続けていれば治る。なんてことは決してありません!
疲労骨折すると言っても、よほどのことがない限り折れることはありません。
ただ、中には痛みに鈍感なのか、練習に一生懸命なのか、無理をして疲労骨折する子もいます。
痛みを我慢していいことなんて一つもありませんよ。
もちろん痛ければパフォーマンスは下がりますし、折れてしまえば長期の休養を取らざる得なくなります。
ですから、痛みが出たらすぐにやめて、もう一度、足の使い方やフォームなどを確認した方がよいのではないでしょうか。
痛みは我慢して続けていれば治る。なんてことは決してありませんからね。
スポ根部活でよくある間違いです。
気を付けて下さいね。
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