肋骨を骨折してると思ったら・・・見分け方と治療法について
わき腹を強くぶつけてから、ずっと痛いのよね・・・
昨日より今日の方が痛くなってきたみたい・・・
これって肋骨が折れているのかしら?
今回は、そんな疑問を持つあなたにお伝えする内容です!
肋骨骨折を疑うためのポイントと実際の治療について解説します。
肋骨の構造
肋骨とは俗にいう「あばら骨」のことです。
名前は「ろっこつ」と言いますが、骨が6本ずつあるから「ろっこつ」ではないんですよ。
肋骨は左右に12本ずつあって、我々の内臓を守る大切な骨なのです。
上の図は片側12本の肋骨ですが、ちょうど鳥カゴのように全体を包んでいる骨であることがわかりますか?
そう、肋骨はこのようにして我々の内臓を守っているのです。
上の図に「肋軟骨(ろくなんこつ)」と書いてある部分がありますが、ここについては後ほど肋骨骨折の特徴を踏まえて、ご説明しますね。
肋骨は急激な力が加われば割と簡単に折れる!
肋骨骨折を起こす原因と言っても様々なので、一概には言えないのですが、おおよそ何かに体を固定された状態で押しつぶされるように圧力を受けた時が多いでしょう。
たとえば、寝転がっている状態で他人に乗っかられたなどです。
よく、休日のお父さんが子供と遊んでいる時に、子供に急に乗っかられて折れるなんてことも珍しくありません。
そんなので骨折?
なんて思うのでしょうが、タイミングによってはとても強い力が一点に集中しますので、そんな些細なことでも折れる事はあるのですよ。
また、風邪などで連日咳をしていたせいで疲労骨折、ゴルフなど体を捻る動作のやりすぎでの疲労骨折なんてこともあります。
高齢の方などではちょっとぶつけただけでも簡単に折れてしまうのです。
まぁ よくあるのが、おふろ場で滑った際に浴槽の縁にわき腹をぶつけて肋骨骨折が圧倒的に多いですかね。
要するに、わき腹に急激な外力、または反復した外力が加われば、割と簡単に折れるということです。
肋骨が折れているか調べる方法
さて、それでは骨折しているかどうか調べる方法をご紹介しましょう!
1.傷めた原因がはっきりしているか
痛めた原因がはっきりしていれば、骨折している可能性は高いでしょう。
肋骨骨折と鑑別する疾患は、筋肉痛と内臓の疾患くらいです。
筋肉痛は運動後に痛みが出る事が多く、これといった原因はないのがほとんどです。
また、肉ばなれなどのように筋肉を伸ばして傷めるケースでは、物を持ち上げた時など筋肉が引っ張られたときに損傷します。
押し潰されるような外力⇒骨折
筋肉が引っ張られるような外力⇒筋痛
ざっくり言うとそんな感じです。
次に内科的な疾患についてですが。
内臓疾患であれば、原因ははっきりとせず、じっとしていてもズキズキ痛むのが特徴です。
熱がでたり、わき腹が痛い以外にも症状がでるはずです。特に夜寝ていても痛むようであれば、内科的な疾患である可能性が高いといえます。
肋骨骨折は動かない限り強い痛みはでないですからね。(呼吸しても動くので厳密に言えば少しは痛みがありますが・・・)
2.わき腹に押すと強く痛む場所があるか
当然、骨折していれば、折れている所は強く痛みます。
ですから、痛みの出るあたりの肋骨を自分で触って強く痛む一点があるなら、そこが折れていることを考えましょう。
肋骨は体表から近くにあるので、わき腹を触った時に硬いのが骨です。
ちなみに筋肉痛では全体的に痛みますし、内蔵疾患であれば押して痛いなんてことはありません。
ですから、押して強く痛いところがあるかないかは、とても大切な情報なのです。
3.胸と背中を押して、わき腹が痛むか
肋骨は鳥カゴのようになっています。(下図は肋骨を横から見た図です)
ですから、痛みのない部分を圧迫する。
つまり、肋骨自体をたわませても痛みが出るようなら折れている可能性が高いと言えます。
上の図のように肋骨をたわませてみましょう。
痛みが出ましたか?
ちなみに、自分で胸と背中を押すのは難しいでしょうから、壁に背中をつけた状態で肋骨1本1本を胸側から押してみて下さい。肋骨がたわむのがわかるでしょう?
この時わき腹に鋭い痛みがでたら、折れていると思ってくださいね。
4.「から咳」をするとわき腹が痛むか
肋骨は呼吸のたびに膨らんだりしぼんだりしています。
これは呼吸によるものなのですが、この時肋骨にある筋肉を使って膨張と収縮を繰り返しているのです。
よって、肋骨にある筋肉を「から咳」によって急激に収縮させた時、わき腹にズキッと響く痛みが出るのなら骨折している可能性が高いと言えます。
5.痛みが徐々に増してきているか
肋骨骨折の特徴として、折れた当日よりも次の日の方が痛みを強く感じます。
おそらく呼吸によって動く続けているから、痛みが強くなるのでしょうが、おおよそ5日~1週間は痛みが強くなると思ってください。
これも肋骨骨折に特徴的な症状の変化なのです。
6.骨粗鬆症かどうか
これは説明しなくてもお分かりですよね。
骨粗鬆症によって骨密度が低下していると、なにげない事でも骨折することがあります。
ちょっとぶつかっただけ、物を持ち上げただけでも折れる事ってあるのです。
レントゲンで肋骨骨折は、わかりにくい
さて、骨折を疑う症状は確認できた。
でも、実際折れているかレントゲン撮ってみないとわからないのでは?
と思う人もいるでしょう。しかしこれがやっかいなことにレントゲンだけで肋骨骨折を診断するのは非常に難しいのです。
もちろん正確に撮影して、みる人がみればわかるのですが、一般的な撮影方法では骨折部を発見するのは難しいのです。
というのも、肋骨は鳥カゴのように湾曲している骨なので、前後が重なってしまいレントゲンで発見するのは難しいんですね。
だから、症状も合わせて判断しないと見落とすことにもなります。
また、最初の図に出てきた「肋軟骨(ろくなんこつ)」と肋骨の境界部で骨折を起こしているケースでは、レントゲンではみつけられません。そんな時は症状などを合わせて判断するしかないんです。
レントゲンは骨しか写りませんから、すべてにおいて万能ではないといことです。
一方、エコー検査ではあれば骨折部位がはっきり写し出せるのですが、これも診る人の技量によっても変わります。
エコー検査にしても、どの位置で折れているかあらかじめ予想してからでないとうまく写し出せないものなのです。
つまり、臨床症状をしっかりと診れる人が行わないと見逃してしまうんです。
肋骨骨折の治療法と治るまでの期間
肋骨骨折の治療法は安静にする。ただこれだけなのです。
病院ではバストバンドが処方されますが、痛みが大きく変わるかと言ったらそうでもありません。
ですから、安静にじっとしておく事さえできればそのまま放置していても障害なく治るのです。
これはどこの医療機関に行っても同じことですし、大きな後遺症も残ることはありませんので極力安静に生活するだけで良いのです。
ただし、肋骨が数本折れているケースや肺に刺さったりした場合は放置してはいけません。
呼吸が出来なくなり生命の存続にも関わります。
ですから、素人判断だけでは危険なこともあるという事だけは最後にお伝えしておきましょう!
一般的に肋骨骨折が治るまでの期間は、おおよそ3週間。
以下のような経過をたどることがほとんどです。
- 受傷後1週間は痛みが強くなる。
- 1~2週間目には痛みがだいぶ治まってくる。
- 受傷後2週間くらいで骨はおおよそくっついてくる。
- 2~3週間経つと、強く押さなければ痛くないくらいになる。
- 受傷後3週間あたりになるとある日パタッと痛みが消える。
経験上、この経過をたどることが肋骨骨折の特徴です。
いかがでしたか?
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