なかなか引かない足の親指の痛み。「伸筋腱炎」とは・・・
転んだ時に足の親指だけくじいた・・・
履きなれない靴で出かけた後に酷く痛みだした・・・
重たいものを足の親指に落してからというものなかなか痛みが引かない・・・
これらはどれも、「伸筋腱」の痛みに悩まされていた人のエピソードです。
そして、この「伸筋腱」に炎症を起こすとなかなか痛みが引かないものなのです。
ということで、足の親指の痛みに悩まされている方へ・・・
今回は親指を動かす腱である「伸筋腱」の痛みについて解説します!
親指を持ち上げる腱(筋肉)「伸筋腱」
伸筋腱と言われても、何の事だか分からないですよね?
まずは、伸筋腱とはどういうものなのか、図を使って説明しましょう!
これは右足の図。
みなさん足の指って、どうの様に動しているのか知っていますか?
そう、上の図にある伸筋腱という腱を使うことによって、指は持ち上がっているのです。
このように、膝の下(すねのあたり)から指先にかけて筋肉がくっついていますよね。
筋肉は両端が「腱」という硬い組織に変わり関節をまたいで骨に付着しています。
ですから、筋肉が縮むとその両端にある骨を引っ張りあげ、関節が動くのです。
この一つ一つの筋肉の動きが絶妙なバランスをとって、私たちの体を巧みに動かしていのです。
生物の体ってすごいですよね!
・・・・っと、話しが反れてしましましたが
親指の先端にくっつく腱を「伸筋腱」と呼びます。(正確には長母趾伸筋腱)
当然、伸びる方の筋肉(伸筋)があれば、曲げる方の筋肉(屈筋)もありますよ。
ちなみに、伸筋を収縮させて指をもちあげるとこんな感じに腱が浮き出てきますよね?
これがまさしく腱が働いている証拠です。
伸筋腱を痛めてしまう主な3つの原因
この伸筋腱を傷めてしまうのには、いくつか原因があるのですが、多くの場合下記のいずれかでしょう。
①重たいものを腱上に落してしまう(単純にぶつかり傷める)
②サンダルやきつい靴などでたくさん歩き、腱がこすれて炎症を起こす。
(特に新品の革靴など硬い靴で歩いた時、踏み返しの際に靴のちょうど折れ曲がるところがシワになり、靴の中で足の親指の付け根部分の伸筋腱にあたっていると炎症を起こしやすくなります。)
③足の指をくじいてしまい、伸筋腱が過度に伸ばされる。
ちなみに、こんな感じになった時に痛めてしまうことが多いようです。
腱や靭帯は筋肉などに比べて治りが遅い!
一度伸筋腱を痛めてしまうと、治るのに比較的長い期間を要します。
なぜなら、腱という部分は血管が少なく代謝が遅いことに原因があります。
また、常に引っ張られるストレスを受け続けなければならない環境というのも一つの原因でしょう。
例えば、鶏肉を調理する時のことを思い出してください。
筋肉は赤いですが、腱や靭帯は白い(透明)ですよね?
これは血管の分布が筋肉では多く、腱や靭帯では少ないからなのです。
血管が少なければ、当然組織の修復に必要な栄養分の供給も少なくなります。
また、組織が生まれ変わる「代謝」のサイクルも遅いのです。
ですから、一度傷ついてしまった、腱や靭帯は筋肉などに比べて治りが遅いというわけなのです。
組織の修復が遅ければ、壊れた組織周囲に発達した神経も退縮せず、いつまでも患部に痛みを感じてしまいます。
つまり、一度腱を傷めるてしまうと、他の組織に比べて痛みがなかなか引かないのです。
安静にしても治るまでに2週間~1か月半かかることも!
では、どのくらいで治るのか?
それは、傷めた程度によっても変わりますが、足の指を起こす事が出来ないほど傷めてしまったのであれば1か月半は見ておいた方が良いでしょう。
もちろん、腱にストレスが加わらないように安静にしてのことですけど・・・
・・・えっ? そんなに長いの?って思いました?
そうなのです。そのくらいかかるものなのです。
もちろん、もっと早く良くなるよって言ってあげたいのですけれども、実際に痛くなくなるまでこのくらいはかかることが多いんです。
もちろん程度にもよりますよ。
ちなみに、普通の動きでは痛くないけど動きに抵抗をかけると痛む程度であれば、安静にして2~3週間くらいでしょうか。
動きでは痛くないけれども、押すと痛い程度であれば1週間か10日くらいみればおおよそ痛みはとれますよ。
安静にするにはきつい靴を履かず、なるべく歩かない
では、どのようにして安静にするか・・・
安静にするためにいろいろと固定方法はあるのですが、一般の方が自分で行うにはちょっと難しいんですね。
強いて言うなら、テーピングで親指の動きを制限することなのですが、これもテーピングをきつくしてしまうと逆効果なので良し悪しです。
ですから、「きつい靴を履かずに、なるべく歩かない」これが最も確実に痛みを治す方法になります。
もし難しいのであれば、接骨院や整形外科などで専門家の先生に患部を安静にするための固定を作ってもらいましょう。
それが治るための何よりの方法です。
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