「肘の靱帯損傷」注意すべき2つの事と、そのリスク!

今回は靱帯損傷における注意点と、そのリスクについてお伝えします。

靱帯損傷を治療する上で気を付けなければいけない2つの注意事項!
この知識が無いと、あなたは一生後悔するかもしれません・・・

肘のみならず、靱帯を痛めた方は必読です!

靱帯損傷

関節には必ず「靱帯」というバンドのような組織があります。
靱帯の役割は関節の運動をガイドし、あらぬ方向に動かないよう関節の動きをサポートすること。

裏を返せば、あらぬ方向に関節を捻ると必ず靱帯が損傷するのです。

「靱帯損傷」と聞くと、おおげさに思いますか?

でも、よく聞く「捻挫」も靱帯が傷ついている状態なのです。
だから、たかが捻挫と安心せず適切な処置が必要なんですね。

 

・・・なぜかって?

 

それは、このあとお話しするとても重要な2つの原則があるからです。

それではさっそく、肘関節を例に靱帯損傷に対する基本的な知識をお伝えしましょう。

そもそも靱帯とは何か?

靱帯とはいったい何なのか?
あまりイメージできませんよね?

靱帯をすごく簡単に言えば「関節で骨と骨を繋ぎ止めている、硬い繊維性のバンド」です。

繊維性のバンド?

そう、この靱帯という組織はコラーゲンという弾力性のある繊維が密集してできた非常に強い組織なのです。

しかし、いくら強いからと言っても、一定以上引き延ばされると繊維は少しずつ切れてしまいます。
そして、全ての繊維が切れると「靱帯断裂」となるのです。

よく、アクション映画で主人公の命綱のワイヤーが切れかかるシーンってありますよね。

細い鋼線が一本一本切れていく光景にハラハラしませんか?

靱帯損傷もあんなイメージです。

断裂端を寄せる「整復」

さてさて、切れてしまった靱帯を修復させるにはどうしたら良いか?
それは、切れてしまった断端どおしを引っ付けなければいけません。

素晴らしいことに我々の体は、この断端どおしを接触してさえいれば自己修復するという機能を備えています。
切れた手足は生えてきませんが、すぐに断端どおしをつけてさえいれば、ちぎれた組織達はくっ付いてくれるのです。

すごいですよね!

しかし、あくまで断端どおしが接触している事が条件。いくら修復すると言っても断端が離れていたら全く話になりません。
そこで、重要となるのが元の位置に戻す「整復」という操作なのです。

ただし、この整復は高度な知識と技術を要するもので、説明するとすご〜く長くなりますので、説明はまたの機会にさせて頂きますね。

ただ、この整復は予後を左右する、とても大切な技術であるということだけはお伝えしておきましょう。

靱帯は伸ばして治す?

靱帯を修復させる際に大切な注意点。

一つ目の注意点は「靱帯は一番伸びた状態で修復させるということ」です。

なぜ伸びた状態で修復させるのか?
その理由は簡単です。

先程、靱帯は関節を繋ぎ止めているバンドというお話をしましたね。
このバンドを短い状態で修復させてしまうと、靱帯全体の長さが短くなり、関節の動きが制限されてしまうのです。

例えば肘を例にとって解説しましょう!
下図の様に、肘関節の内側には沢山の靱帯が存在します。

 

 

これらの繊維にはそれぞれ役割があって、肘の曲る角度によって使われる繊維が異なるのです。

ちょっと複雑になるので、簡単に説明すると、前方にある繊維は主に肘を伸ばした時にピンと張り、後方にある繊維は肘を曲げた時にピンと張る様な構造になっています。

つまり、前方の繊維を痛めたのであれば、肘を伸ばして固定すべきですし、後方の繊維を痛めたのであれば、肘は曲げて固定すべきなのです。

なぜなら、前方の繊維を修復させる際に肘を曲げたまま(靱帯が緩んだ状態)で靱帯をくっ付けてしまうと、靱帯の距離が短くなってしまい、肘が伸びなってしまうことがあるのです。
だから、靱帯のどの繊維を痛めたのかを診断することが、治す上で非常に重要なんですね。

ちなみに、前方の繊維を痛めたとしても、肘を伸ばしたままでの生活は非常に不便なため、実際には少〜し曲げた位置で治すことがほとんどです。
ただし、途中経過でリハビリをするなど細かい処置が必要であることは付け加えておきましょう。

「まずは安静、徐々に負荷」の原則

それでは次に、靱帯の強度をつけるために必要な「負荷」というお話をしたいと思います。

修復過程の靱帯細胞には、軽度の伸長ストレスに対して強度を持つという性質があります。
つまり、修復している靱帯に対して適度な伸ばす方向のストレスをかけることは、靱帯の強度を回復させる上でとても重要なのです。

ただし、ストレスをかけ過ぎるとせっかく修復した繊維が壊れてしまうため、「適度な」ストレスが重要になってきます。

まずは固定して安静を保ち、修復度合いを見計らって曲げ伸ばしの運動をして靱帯に適度なストレスをかけて行くことが必要なんですね。

固定をしないというリスク

適度な伸長ストレスが必要というなら、そもそも固定しなくてもいいんじゃない?

と思いますか?

でも、固定をしないで動かし続けると思いもよらない事態になることがあるのです。

それが、二つ目の注意点である「固定の重要性」です。
それは何かと言うと、固定するには大きく3つの意味合いがあるのです。

1.正常に修復機能を働かせるため。

2.痛みにして過敏な反応(感作状態)を起こさないようにするため。

3.無理な刺激で異所性骨化(骨化性筋炎)を起こさないようにするため。

です。

まず、1については説明する必要もないですね。患部が動揺すればそれだけ組織の修復も遅くなります。

次に2についてですが、この、感作という反応を起こすと結構厄介なんです。
それは、患部が動揺し続ける、すなわち痛み刺激が加わり続けると、痛みを伝える神経が増えてしまい、少しの刺激でも痛みを感じるようになります。時には風が当たるだけでもズキズキするほどになってしまう程です。

一度この感作状態に陥ると、元の状態に戻るまでにかなりの時間がかかります。そしてあなたは、痛みに耐え続けることを余儀なくされるのです。

最後に3の異所性骨化(骨化性筋炎)ですが、これは、内出血した部分に刺激が加わり続けるとその部分で石灰化(骨化)を起こし、炎症が出現しまうものです。

あるはずのない組織に骨ができてしまうため、関節運動を邪魔してしまうことがあるのです。加えて炎症を起こすと、これまた痛みに耐えなくてはなりません。
また、一度起きると元には戻らず一生関節が動かなくなることだってあるのです。

だから、修復中の無理な関節運動は決して行ってはいけないのですね。

これが、固定が重要な3つの理由です。

さいごに・・・

 靱帯をスムーズに修復させるためには、これまでに話した知識とそれを判断する経験が必要になります。
だから、たかが捻挫と軽視せず、しっかりと治療を受けてくださいね。

「靱帯の長さ」と「固定の重要性」この2つの原則をあなたが理解し、いざという時に正しい治療を受ける判断材料にして頂ければ幸いです。

それでは、また。

 (「肘の痛み!知っておくべき5つの症状」についてはこちらから)

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