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朝霞台の骨折捻挫は24時間急患対応の渋谷接骨院へ > 診療日記 > なぜ、固定しても骨折部が痛むのか⁈『初期処置の重要性』
2020-04-04

なぜ、固定しても骨折部が痛むのか⁈『初期処置の重要性』

 

今回は、初期処置がなぜ重要なのか。その理由をシェアしたいと思います。

本症例は、夜間に痛みが治まらないと急患で対応した患者様の症例です。

 

運動中に左手を地面に衝き、骨折されたため病院へ搬送。その後処置をされたものの、夜間に激痛に襲われ当院を受診されました。

初診時、ギプス固定が不十分であることと循環障害等も強く疑われたため、緊急で固定を除去。

痛みの原因は内部での過剰な腫れ(出血)による神経の圧迫であることがわかりました。

よって、その場で徒手整復(ズレた骨を元の位置に戻すこと)を行い、再度ギプスにて固定。

その後、順調に治癒に向かい1カ月半で治癒となりました。

 

それではこの症例を元に、ギプス固定をしたのになぜ強い痛みに襲われたのかをお話ししたいと思います。

 

まずは、下図が初診時にされていたギプス固定です。

 

 

一見しっかりと固定されているように思えますが、我々からすると骨折を管理するには不十分な固定です。

はじめにお伝えしておきますが、これからお話しすることは、あくまで初期処置の重要性をお伝えするのが目的であって、決して悪意のある非難ではないということだけはご理解いただければと思います。

 

それでは、本題に戻りましょう。

初診のギプス固定は見た感じもボコボコと凹凸が目立ちますよね。もちろん固定する角度もよくないのですが、こういった固定を作っているという段階で骨折部が治っていないだろうなということは容易に想像できます。

夜間に襲われた痛みの原因は、骨がズレたままで固定をしたことにより内部で過剰に出血し、腫れが強くなったと考えられます。

 

患部は硬いギプスで覆われているので、内部の出血が多いと内圧が高くなり血行不良による循環障害が起き始めます。

幸い、手指部が蒼白になっていなかったので循環障害は起きてなさそうでしたが、循環が滞ってしまうと最悪、不可逆性の障害を起こしてしまう可能性もあるのです。

 

もちろん、今回のケースではそれほどのことは起きなかったでしょうが、フォルクマン拘縮という不可逆性の障害を起こしてしまうと、一生手が不自由になってしまう事だってあるのです。

ですから、初期に適切な処置をすることはとても大切なんですね。

 

さて、この固定を除去してみたらどうだったかというと、予想通り下図のように骨折部はズレたままでした。

 

 

 

なぜ、このズレがいけないのか。

ここをもう少しお話しいたしましょう!

 

今回骨折した橈骨という骨を横から見てみます。(下図)

 

 

 

骨は骨膜という強靭な膜に包まれているのですが、本症例ではこの骨膜が裂けるくらいの力がかかり、折れ曲がってしまったものと思われます。

ちょうど骨折部の模式図を書いてみるとこんな感じです(下図)

 

 

エコーで見えるピンク矢印の部分が骨膜です。

なぜ、この骨膜の話をするのかというと、骨折を治すうえでとても重要になる組織だからです。

というのも、骨折が治る際にこの骨膜には収縮力が働きます。ちゃんと骨折部を戻し切れていないと、せっかく戻したはずの骨折部がこの膜にわずかに引き上げられ、徐々に骨折部はズレてきてしまうのです。

だから、病院では手術しないとズレてしまうといわれることが多いんですね。

徒手整復(手で骨を元に戻すこと)が悪いのではなくて、やる人の技量に左右されるだけなのですがね・・・

 

 

 

要するに、このズレさえしっかりと治せれば、骨膜が収縮したとしても骨折部はかみ合う方向に力がかかるためズレることはないのです。(下図)

 

 

 

 

ということで、徒手整復(骨を元に戻す操作)を行いギプス固定を行いました。

 

 

 

ちゃんとまっすぐになっているでしょ!

 

でもなんか凹んでない?・・・と思いました?

そう、骨折した際に骨と骨で潰された部分は引っ張り出せないので、一時的にこの部分は陥没しているようになってしまうんです。

でもご安心ください。ちゃんと骨ができる時に埋まってきますので、問題ないのです。

 

徒手整復後にレントゲン撮影をしたのが下図です。

イメージしやすいように骨模型も並べてみました。

 

 

ちなみに尺骨(細い骨)の先端も骨が欠けておりましたが、こちらもいい位置になっておりますね。

 

 

そうそう、エコーで陥没していたところはレントゲンではこのように写るんです。

 

 

 

 

レントゲンでもきれいに治っているでしょ!

はじめにここまでやってくれていれば、痛みに苦しむことはなかったんですけどね。

 

 

さて、気になる陥没部分は1カ月半(6週間)でこのように埋まりました。

リハビリも含めて1カ月半。

正直、受傷後1カ月の段階でほとんど日常生活は出来ていたので、スポーツしなければ1か月で治癒でも良かったかもしれませんね。

って、治るの早っ!(笑)

 

これだけ早く治すには少々コツがあるのですが、これ以上はマニアックになってしまうので今回はここまでとします。

 

ということで、初期処置がどれほど重要であるか、おわかり頂けましたか?

今回のような事にならないように、何かありましたらいつでもご相談くださいね!

 

○○君、しっかり通ってくれてありがとう!

それにしても、あっという間に治ったな~

若さって素晴らしい!

 

 

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タグ: 痛み, 骨折, 夜間, 休日診療, 急患

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